もっと早くに言わなあかんかった事。


ずっと避けてきた話




「……あたしは、志木の気持ちには応えられへん」

目を逸らさず、しっかりと志木の目を見た

志木の瞳は少し揺れて、目が大きくなった後に、目を細めて笑った



「普通に話していいですか?」

「うん、勿論」


志木はあたしが座るベッドの隣に腰をかけた



「分かってるよ?俺が杏の世話を焼いてるのは、好きだからってのもあるけど、家族を守りたい気持ちと同じなんだ」


「うん、それは伝わってる。ただ今まで曖昧にしてたから」


「俺、杏に告白したことあったっけ?」


「んーー寝ぼけてる時とか、お酒飲んだ時に、告白されてる」


これは今まで気づかぬふりをしていたけど。言わなきゃいけないと思った。

それを言うと、まじで!?と志木は普通に焦っていた


「無自覚?」

「うん、ごめん。あんまり寝起きとか記憶なくて」

「せやな。でも、あたし何十回も聞いてる」


そう言うと、はぁとため息をついて頭を抱えた

ただ何故だろう


志木は、少し嬉しそうに笑ってた



「なんで笑ってるん?」