でも

もう一つそうしなければならない理由があるんです。
あなたが真実にたどり着く前に


あなたが壊れてしまうその前に



私はサトルを…そして





鈴様を…


殺さなければならないのです。



だから、あなたの言う事は聞けません。今回ばかりは、自分の判断を優先させてもらいます。


だってあなたは、壊れてしまうでしょ




鈴様が生きてるだなんて

死んでなかっただなんて



あなたに言える訳ない




本当は連れて帰って、閉じ込めておこうと思ってました。
嫌がられても、何を言われても、私はそれが正しいと思っていました。


でも


ここへ来て少し気持ちが揺らいでしまった


あの男のまっすぐな言葉を聞いて


何も隠す事なく話す言葉は、初めて会った者にでさえ、ストンと心に落ちるものだった。


綺麗事だといいましたね


笑顔にしたいだなんて、綺麗事です。私だってそう思ってます。


でもそれを
真剣に思っている。彼が全てを知ってもなお、杏様のことを、そう思って守ってくれるなら


私は私のすべきことに集中できる気がしました