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「電気強すぎたんじゃない?」

「…あんたがこの電圧でって言ったんだろ?気絶したじゃん。俺らが運ぶの?」

「当たり前でしょ?水瀬は何処?あたしは、水瀬に話があるんだけど」



な、にこれ

人ごとのように、会話だけがあたしの頭上で繰り広げられる

アホちゃう?



「人のこと無視して…話進めんなクソ」


身体に力が入らへん…


「おいおい…この電気くらって動けるって化物じゃん。さっさと運ぼうぜ?暴れ出されたら困る」


「…触んな」


首の下と膝の裏に誰かの手が入ってくる。
こんなお姫様抱っこ嫌や
身体が痺れて痛い

こんなタイミングやと思わへんかった。

てゆうか、ようみたらこの男…

さっきナンパしてきたやつやん



全部、仕組まれてたんか
ダサいなぁ、ほんまに。気づけへんかった




辛うじて動かせる目蓋
必死に目を開いて周りの景色を覚える

もし何か泉達と連絡が取れるのなら、道は覚えなければならない。

てか最近あたし拉致られすぎちゃう?



ほんまやってられへんな


周りの景色を見るその途中



紗羅ちゃんと目があった