「なぁなぁ、あれちゃう?地図的に、すぐそこのマンションやと思うけど!見覚えない?」


少し行った所の大きなマンションを指差す。
すると、何か思い出したかのように、ぁあ!と声を出しておばあちゃんは笑った


「やだねぇ、年になるとど忘れしちゃうよ。ありがとね、お嬢さん」


トコトコとマンションに入るまで見守る。

少ししても出てこないから、きっと辿り着けたはずやな。
よし、あたしも公園いこーっと


傘をもって公園の方へ歩こうとすると、前から紗羅ちゃんが来た

あら、やっぱあたし遅かった?


おーーいと手を振ろうとしたら、紗羅ちゃんが男に囲まれた

え…


「ま、待って」


紗羅ちゃんのそばに駆け寄ると、男は4人組
ナンパ?

「ちょっと俺らの暇つぶしの相手になってよ」

「や、やめてください」

「だから待てってば」

紗羅ちゃんの肩を抱く男を無理矢理引き剥がす


「ナンパにしては強引すぎひん?」

「はー?なんだよ、お前が相手してくれてもいいんだぜ?」

「んーー相手してやれんこともないけど、予定あるしなぁ、あたし」


お前らに構ってる時間はない。早くあたしは、ウサギと戯れたいんや!

紗羅ちゃんの腕を引いてその場を離れる。
なんやねん、あの強引な奴ら

うっとおしいわ