『朔には伝えてないよね?』

「うん。泉が、朔は顔と態度にでるから、言うなって言ってた」

『まぁそれがいいか。どうすればいい?特になにもアクションなければ、普通に宿に戻るよ?』

「うん…杏がいる時に何か起こりそう」

『杏ちゃんに何かするなら、手加減できないなぁ』

「なんでこんなにあの女が怖くて気持ち悪いのか、わかんないけど…誰かに悪意を持っているってのは分かるから。杏が傷つかないようにしたい」

『響が女の子にそんな風に言うなんて、妬けちゃうなぁ』

「ちゃかさないでよ」


慧はみんなのお兄さんみたいな存在
あっちは慧がいるならなんとかしてくれるだろう。


「響ーー?電話?」

「ん?もう切るよ」

慧にまた後でと声をかけて電話を切る。杏は…少し困った顔をしている


「どうかした?」


部屋の入り口からこちらを覗く杏は、ちょいちょいっと手招きをする


「あのさ?かき氷さ、あたしと紗羅ちゃん2人で行ってええ?」


なにを言い出すのかと思えば…


「絶対ダメだよ。泉にも側を離れるなって言われてる」