-----

何事もなく時間が過ぎてゆく


「あーあ、雨かぁ」


杏が憂鬱そうにつぶやく。
朝の時点ではまだ晴れ間もあったが、そこからどんどん曇って行く

海斗さんは海の家に人は来ないだろうが、明日は晴れるから、明日の準備をするらしい

俺も手伝いに行こうとしたけど、なんだか今日はみんなの元から離れたらいけない気がした


「杏?トランプする?」


とくに杏から、離れちゃいけない気がする


泉にも言われた。
泉が側に居れない時は、俺が見ておけって


「響トランプしたいの?」


ええけど?そう言い俺の隣に腰を下ろす。
大富豪でもする?そう言いながらトランプをシャッフル。その手つきは相変わらず手慣れたもので…
学園祭のポーカーを思い出した


本当は朔が護衛に適任なんだけど、朔には言えない。
朔は顔に出やすく、態度にも出やすい。

泉と杏はあの女を警戒している。それを朔に伝えると、朔はとっても態度に出すだろう

それは都合が悪い


尻尾を出す前に、警戒しているのがバレてしまう。