その夜、私は陽翔と甘い夜を過ごした。

合コン以来九年ぶりに私に触れた陽翔は

「俺って、忍耐強いよな。
でも、お預け長い間くらってたんだから今夜は寝かさないから覚悟しろよ」

妖しく微笑んだ陽翔はその晩宣言通り私を寝かしてはくれなかった。

眠たい目を擦りながら、重たい身体をどうにかひきづり参列した結婚式。

大翔は今まで見たこともないくらい幸せそうに笑っていた。

私の手元に飛び込んできたブーケと共に、私は左手をかざして大翔に見せた。

私の薬指に気がついた大翔がさらに嬉しそうに微笑んだ。

「愛美、俺と同じくらい幸せになれよ!」

大翔の言葉にハッとした杏ちゃんと颯馬が私の指輪に気づき、私に走りより抱きついた。


「大丈夫!
はるにいと同じ名前の陽翔だから!

絶対幸せになるから!」


『はるにぃ』
小さい頃はそう呼んでいた。
颯馬が今もそう呼ぶように私も呼び方を昔に戻した。


私の中で本当の意味で大翔がただの幼馴染みに戻り新たな幸せにむかいあるきだした。

私と、同じ時を歩く陽翔を深く想いながらブーケをぎゅうっと握りしめた。