ひと月前に帰国した大翔の結婚式に出席するためだ。

三年前、渡米を理由にお見合いを丁重にお断りされた副医院長のお嬢さんは、どうしても大翔を諦められず、追うように渡米して押しに押しまくり大翔の心を見事に射止めたのだ。

もしかしたら、同じようにしつこいくらいに私も彼女のように、体当たりし続けていたら…運命は変わっていたのかもしれない。

いや、きっと大翔の運命の相手は私ではなかったのだろう。

あの時、一緒に行く決断をせずにフラれる道を選んだのは私なのだから。