「ごめん、愛美」

顔を歪める大翔に小さく首を降る。

そして…

私は…

大きく深呼吸して大翔を真っ直ぐ見つめた。

「大翔…私の最後の我が儘きいて…。

明日からただの幼馴染みにもどるから…

…お願い…キスして…」

暖かな大きな手が私の頬を優しく包んだ。

そっと目を伏せた私の唇に温かな唇が重なった。

「ありがとう…」

泣きながら笑う私に大翔はもう一度今度は深くて長い大人のキスをした。

大翔はその後渡米準備で勤務シフトは引き継ぎのみでほとんど出勤することもなく、慌ただしく日は過ぎて…二月始め日本を発った。

大翔とのけじめをつけたあと、私はもうひとつ大きな決断をした。