彼女は俺の"はると"という名前にあきらかに反応していた。

佐久間大翔と同じ名前で良かったとこの名前をつけた親に心から感謝した。

今日の俺は、神様に感謝したり、親に感謝したり、無理矢理数あわせでつれてきた友人にも感謝したりと感謝しっぱなしでいそがしかった。

ずっとただ眺め続けていた彼女が、いま俺の目の前で笑い彼女の瞳に俺が映っている…まるで夢みたいだった。

そして…酔った彼女が迫ってきて…
彼女を俺は抱いてしまった。

絶対にこの再会を無駄にはしない!
絶対にこの腕の中にいる彼女を離さない!

そう思っていたのに…目覚めると彼女の姿はどこにもなかった。

酔って都合のいい夢をみていたのだろうか…?

冷たくなっている俺の隣の布団をめくると、シーツに微かについた血は、昨夜初めて男と身体を重ねた彼女が、確かにそこに横たわっていた証が存在していた。