「ごめん…なさい。

私、陽翔…さんのことよく知らない。
私をそんなに前から知っていたなんて知らなかった。

突然で…えっと…友達からじゃダメですか？

あの、その、友達だちって言っても、普通の友達よりもっと親密な関係っていうか…｣

うまく表現できない私の胸の前の手を、陽翔はさらに手を伸ばしてそっと握った。

「友達じゃなくて彼氏でいい？

とりあえず結婚を前提には今はあきらめるよ。

友達じゃ手も握れないし、それ以上のことも…できないよね？

俺デートしたいし、一緒にいたら好きな子には触れたいし。

他の奴にはとられたくないからあみちゃんの特別になりたいんだけどな。

いいだろ？

俺のことはこれからゆっくり知ってくればいいよ。

ずっと好きだったんだ｣

とくんと胸が音をたてた気がした。

真っ直ぐな瞳で見つめたまま、真っ直ぐな言葉を紡ぐ彼に私は、たぶん、恋に落ちた。