「っと、危なかった。
やっぱまた会えたな」

イヤホンをはずすと、私を抱き止めた相手が目の前で目を細めて笑っていた。

「はる…と…」

「驚かせてごめん。
偶然見つけて嬉しくてすっとんできたよ!
あみちゃんもここに来てたんだな。で、今日は休みなの?このあと少し俺と過ごしてくれる時間ある?」

昨日電話をしなかった気まずさから、目を反らして頷いた。

「じゃあ、俺今きたばっかだから一時間後くらいで大丈夫かな?」

「うん…」

「じゃあまたあとでな」

爽やかな笑顔を向けられて、四年前のことが頭をよぎり、私の顔はポン!と一瞬で真っ赤になった。

酔っていたとはいえ、ちゃんと私の頭にはあの夜の出来事は記憶されているのだから。