ストレッチャーに乗せられて男性患者が搬送されてきた。

救急隊員とやり取りしていた私に背後から

「あれ…?もしかして…
あみ…ちゃん?」

その呼び掛けに振り向き私は息を飲んだ。

「は、る…」

最後の言葉は慌てて飲み込んだ。

射抜くような鋭く見つめる大翔の視線を感じて、背後から声をかけてきた救急隊員の名前を最後まで呼ぶことが出来なかった。

大翔の前で同じ名前の彼をはるとと呼べなかったのだ。

四年ぶりの彼はすっかり大人な以前よりも遥かにかっこよくなっていて

「ようやくまた会えた」

と私に満面の笑みを向けてきた彼に、私は思わずときめいてしまった。