『キミとはまた必ず会える気がする』

黙ってホテルから帰ってから、はるととはこの四年偶然再会することはなかった。

私が彼について知っているのは二つ年上で"はると" という名前と、細身なのに鍛えぬかれた身体で消防士という職業なこと。

そしてなによりも、とろけるような甘いキスをすることだけ…。

すっかり忘れていた彼を夢で見たのは、昨日ばったり一緒に合コンに参加していた女の子とあったからかもしれない。

「あのあとはるとくん、晒名さんのこと探してたよ?」

なんて聞いたからふと懐かしく思い出してしまった。

彼ももう三十だ。
あのときもかなりのイケメンだったが、今はもっとかっこよくなっているんだろうな。

結局、私を探していても二度と会うことのなかった私たちは縁なんてなかったんだろう。


「運命の赤い糸の相手か…」

仮眠室から救命に行くと、すっかり男の色気を見にまとった大翔が、凛々しい顔をしてテキパキと看護師たちに指示をだしていた。