「俺ははると。
こういう飲み会にくるのはじめて?」

"はると" その名前に反応して彼を凝視したまま固まった。

大翔を忘れる為に苦手な合コンにわざわざ足を運んだのに、同じ名前の男に声を掛けられて反応している私はバカとしか言いようがない。

黙ったまま固まっている私に、彼は自分の言葉を肯定したと捉えて

「苦手なら俺と抜け出す?
二人でゆっくり話したいからって言えば大丈夫だから、店出たらそのまま帰ればいいよ。
行こう」

私の腕をとり立ち上がると"はると"


「俺たち意気投合したから悪いけど二人で先帰るな」

周りの冷やかす声と私を連れ去ることへの避難を浴びながら、はるとは手をヒラヒラさせて私を店の外へ連れ去った。