「でも、男の人は気持ちがなくたってエッチできるんでしょ?

私は…大翔が好きだから大翔としたい…」

「愛美、自分のこと大事にしろよ。

お前のそういう危ういところが俺は心配でほっとけないんだ」

大きなため息をついた大翔は、ベッドで大翔に背を向け丸くなった私を、身体をおこして優しく大きな手で頭をなでた。

「やろうと思えば気持ちなんてなくたってできるよ。

性欲の処理だ。

だけど俺は好きな女しか抱けないし抱かない。

だから愛美、お前も自分のことを愛して大事にしてくれる相手に身体を許せ。
わかったか?」


「…わかんない!
私は大翔が好きなんだもん…。
大翔のバカ!
もういいよ」

枕に顔を押し付けて泣き出した私に、大翔は優しくはしてくれなかった。

突き放すことも彼なりの優しさなんだと頭は理解できたが、私の心はズキズキ傷み、溢れる涙を簡単には止めることができなかった。