横から秘書が、社長の前に書類をすべらせる。 社長がパラパラと軽く目を通し、言った。 「藤崎 さとみさんですね」 「雇用契約は、読んでいるよね」 そこで初めて、さとみに目を向けた。 ドキ。 社長が私を見ている。 「はい。ですが」 急いで、答えようとするさとみに 「仕事終わりでホステスを?」 感情のこもっていない声。 「は、はい。でも」 顔を赤くしながら さとみが言葉を紡ごうとすると 「契約不履行で、解雇させてもらいます」 社長は事務的に 容赦なく告げた