…… ? 社長の手が触れてない? いつの間にか、つぶっていた目を さとみはそっと開けた。 至近距離で 社長がさとみをのぞきこんだまま言った。 「振動がすごいんだけど」 さとみは緊張のあまり、震えてしまっていたようだ。 震えるというより、けいれんに近い? 「初めてかよ」 めんどくさそうに社長がそう言った。 社長がさとみの上からおりる。 社長の言葉は刃(ヤイバ)のよう。 ずきずき痛い。 でも、傷ついている時間はない。