さとみは必死に、自分に言い聞かせる。 大丈夫。 何でお金がいるかだけ、考えてればいい。 何のためにいるのか。 頑張らなきゃ。 私が頑張らなきゃ。 きっと、大丈夫。 私は大丈夫。 迷いは心の奥に押し返す。 狂ったような心臓の音も無視する 我慢するのは得意だから…… 大丈夫。 シャツのボタンに手をかける。 緊張して かじかんだように指が震える。 社長が何も言わず、見ている。