メリーゴーランドは空席

うつむいているけれど、落ち着いた茶色の髪の毛に隠れていない幸人くんの耳は、みるみるうちに赤く染まっていく。

……もしかして照れてるの?


「マジで恥ずかしいんだけど。こんなイカつい奴の口から『ウサギの雑貨屋』っていう可愛いワードを出すの、勇気いるんだからな」

赤い顔のまま、幸人くんは歩き出す。

「幸人くん、可愛い……」
そう呟いてしまってから、ハッと我に返る。
私にとってはただの感想でも、幸人くんにとっては言われたくない言葉だったかもしれない。

謝ろうとした、その時。


「あはっ」
幸人くんが歯並びの良い白い歯を見せた。

「あははははっ!」
思いっきり笑っている幸人くん。

「え?なんで?なんで笑ってるの?」
私の問いかけに幸人くんは笑いながら答えた。