メリーゴーランドは空席

あまり大きな公園とは言えないけれど、それでも敷地内にはいくつかの遊具があり、ちょっと坂を上がると小さな池まである。

池のそばにはジュースの自動販売機もあるので、幸人くんと坂道を上がっていく。



「久しぶりにきた……」
どうしてもきたかった場所でもないのに、久しぶりの場所に懐かしさで感動がこみ上げてくる。

「座る?」
池の周りにはいくつかのベンチが設置されていて、自動販売機のそばのベンチを幸人くんが勧めてくれた。

「何か飲む?」
幸人くんは自動販売機の前に立っている。
「え、いいよ。自分で買う……」
そこまで言って気づく。

私は財布を持ってきていない。
ポケットにスマートフォンを入れただけの手ぶらだった。