メリーゴーランドは空席



翌日の夕方。

幸人くんと外出をしている時、いつものように公園の前まできた。
「5分もかかってないよ」
幸人くんが腕時計を見て、私に笑顔を向ける。

「早く歩けたってこと?」
「うん!そうだよ、すげーじゃん!」
幸人くんが自分のことみたいにはしゃいでくれる。


「幸人くん、時間ある?」
「え?」


「公園に寄ってみたいんだ」


思い切って提案してみた。
「オレは大丈夫だけど、葵は大丈夫なの?」
幸人くんは心配そうに私の顔を覗きこむ。

「わかんない。でも、なんか寄ってみたくなっちゃって」

幸人くんは、
「わかった。じゃあ、寄ってみよう」
と言ってから、
「でもおばさんに連絡しておこう。心配させちゃうから」
と、スマートフォンを取り出した。