幸人くんを玄関で見送り、私は自分の部屋に行った。
幸人くんが持ってきてくれたノートを開く。
四角い、幸人くんの文字。
少しずつ勉強をはじめた。
高校の授業ってどんな感じなんだろう。
先生って怖いのかな。
そう思って、ふと思い出した。
幸人くんが言っていた、鳥に嫉妬していた先生の話。
思い出して、クスッと笑ってしまう。
ハッとして、また勉強に集中する。
いつか。
いつか、学校に行くことが出来たなら会えるんだ。
先生にも。
クラスメートにも。
胸の真ん中がじんわりとあたたかくなる。
「……そっか、私」
幸人くんの四角い文字で書かれた数学の計算式を見つめて呟く。
「学校に行きたいって思っているんだ」



