メリーゴーランドは空席

私は何も言えず、そのままドアを静かに閉めた。




翌日も、その翌日も幸人くんは家にきた。

「すみません、毎日きてしまって」
1階から聞こえる幸人くんの声に耳をすませる。
「私達はありがたいけれど、横峯くんが無理しないようにしてね」
ママの声も聞こえた。



「葵さんに会えませんか?」



え?

「オレ、ちゃんと直接会いたいんですけど、やっぱり無理です……よね?」

無理だよ!
無理に決まってるじゃん!!


私は部屋の中でひとり、キョロキョロしてしまう。
どこかに隠れる?
部屋の窓のそばの木をつたって、部屋から出る?

……ううん、そんなこと出来るわけない。


私は外には出られない。