きっと幸人くんだ。
顔が見えなくてもわかった。
金髪だった髪の毛は、落ち着いた茶髪になっている。
背も伸びたのかな?
「幸人くん……」
そっと名前を呼んでみた。
幸人くんは気づくはずもなく、どんどん遠ざかっていく。
「葵ちゃん、いい?」
部屋のドアの向こうからママの声がした。
「横峯くんから預かったよ」
私はドアを開ける。
ママは数枚のプリントを持っていた。
プリントの内容は高校の部活動について書かれたものと、数日後にクラス写真を撮る説明などだった。
「ありがとう」
ママにそう言って、ドアを閉めかける。
「ママに、じゃないでしょ」
ママは私をまっすぐ見つめた。
「横峯くんにちゃんとお礼を言おうね」



