私の今までの学校生活。
いつだって友達がいないし、思い起こせば寂しい毎日だった。
でも。
午後の教室に差しこむ、あたたかくて優しい日差しとか。
放課後の校舎に響く、吹奏楽部の練習する音とか。
下校中に見る、切ないほどに赤い夕焼けとか。
確かにあったはずなんだよ。
私の学校生活にも。
好きだって心から思えるものが。
私は見慣れた自分の部屋のすみに置いてある、スクールバッグを見つめた。
もうきっと、会えないと思う。
あの教室にいる私には。
自分のベッドに横になって、両腕で自分を抱きしめた。
大丈夫。
大丈夫……。
心の中で念じる。