メリーゴーランドは空席

「何度も上靴を隠されました。制服や体操服が教室のごみ箱に入っていたことだってあります」

「それは……、からかっただけで」
桜井さんが口を挟む。
それを無視して、私は続けた。

「転ばされたことも、物を投げつけられたこともあります」
話しているうちに視界がゆがんでくる。
「それだって、遊びの延長だから!」
桜井さんの声も震えだす。
それでも彼女は強い口調で言う。
「何?私が悪いの?あんたが悪いんじゃない!あんたこそが元凶じゃんか!」


目にいっぱい涙をためて、桜井さんは大声で叫ぶ。
「被害者は私!私こそが、あんたのせいで……!!」
桜井さんは泣き出してしまった。
まるで小さな子供がだだをこねるみたいに。

「私は、何もしてない」
私も涙をこぼしながら訴える。