メリーゴーランドは空席


「先生」
最初に口を開いたのは桜井さんだった。


「私、いじめてなんかない。越野さんの被害妄想が激しいだけ」
桜井さんは私の肩を抱き寄せる。
「ね?こんなに仲良しなんだもん」


嘘つき。


言葉に出来なくて、心の中で呟く。


「ちょっと、何か言ってよ~。仲良しだよね、私たち」

言わなくちゃ。
ちゃんと、自分の言葉で。


思っているだけじゃ、ダメなんだから。


「……仲良し、じゃない」
小さな声で精一杯の反論を始める。

「無視されたことがあります。クラスの女子みんなで悪口も言われました。ひどい言葉で傷ついたことも何度もあります」

先生はうなずきながら、メモをとって聞いている。