もうダメだ、と思った時。
「何してんの?」
幸人くんの声がした。
「桜井さん!」
担任の先生の声もする。
さっきまで満面の笑みを浮かべていた桜井さんの表情が、みるみるうちに青ざめていく。
「離れなさい!」
先生が私から桜井さんをどかし、桜井さんに強い口調で問う。
「何をしていたんですか!?」
幸人くんがその間に私を立たせてくれた。
制服が埃で白くなっている。
「べ、べつに……。遊んでいただけです」
持っていたスマートフォンを背中に隠す桜井さん。
「ねぇ、越野さん。私たち遊んでいただけでしょ?」
桜井さんは青い顔を私に向け、精一杯の笑顔を作る。



