11月。
文化祭当日。

朝、最寄り駅で幸人くんと待ち合わせをした。
駅に向かうと、改札口の前でキレイな金髪の人を見つけた。
幸人くんだ。


「ヨッ」
幸人くんも私を見つける。
両耳にシルバーのピアスが輝いている。
「なんか、久しぶりだね」
そう言うと、思わず幸人くんの髪の毛に手が伸びた。
でも身長が足りないから、届かない。

「はい」
少しかがんでくれる幸人くん。
私は嬉しくなって幸人くんの頭を撫でた。
「いつもと反対だね」
クスクス笑う。
「ちょっと恥ずかしいけどな」
そう言って幸人くんも笑う。


「朝から、何やってんの?」
その声に私の肩がビクッと跳ねた。
幸人くんが私を背中にかばった。

桜井さんだった。