私の言葉に目を丸くした小谷さんはまた笑って、
「葵ちゃんって本当に面白いね」
と言った。
「まぁ、きっぱり振られたから。そのことは葵ちゃんに言っておこうと思って」
「うん」

「あ~、すっきりしたぁ!!」
小谷さんは両腕をグーッと伸ばした。



教室に戻ると幸人くんと目が合った。
ニコッと笑ってくれる。


その笑顔を、ひとり占めしたいと思った。

でも幸人くんには好きな人がいる……。
誰なんだろう?

胸の奥のモヤモヤはまだ晴れなかった。