メリーゴーランドは空席

「文化祭の日、告白しようと思って……。どう思う?」
石森くんは両手の指の間から、私を見つめる。
「え?」
「同じ女子として、越野さん、どう思う?オレから告白されたら、やっぱり残念?」
「え!?」

「付き合えるとか思ってないから。ただ想いを伝えたいだけなんだ。でも、でもさ。オレ、横峯みたいにイケてないし……、告白なんかしたら気持ち悪がられるかな?」
石森くんはそう言ってため息まじりにうつむいた。

「石森くん」
私は石森くんを見つめた。
「石森くんは良い人だし、全然イケてなくなんかない。優しいし、面白いし、それにね……」
そこまで話すと、降りる駅に着いてしまった。

「葵、降りるよ」
幸人くんがさっさと降りてしまう。
「え、え、じゃあ、またね?石森くん」
私も急いで電車から降りた。

「嘘だろ、『それに』何なの!?気になる……」
石森くんはまだ何か言っていたけれど、電車のドアが閉まり、動きだしてしまう。