メリーゴーランドは空席

幸人くんがどういうきっかけを経て石森くんと仲良くなったのかは、私は知らない。
でも石森くんといる幸人くんは、表情がやわらかい。

「石森くん、ありがとう」
……あ、心の声が出ちゃった。
私は気づくと石森くんにお礼を言っていた。

「え?今度はお礼?何、オレべつにお礼言われることなんてしてないけど」
石森くんが混乱している。
そんな石森くんを見て、幸人くんはさらに笑っている。



ホームに電車がやってきた。
私達は電車に乗りこみ、座席に座る。
私と幸人くんが隣同士に座り、向かいに石森くんが座った。

「オレさー、好きな子がいるんだ」
ふいに石森くんが言った言葉に幸人くんはうなずく。
「知ってる。安堂さんだろ?」