メリーゴーランドは空席

「最近こんなふうに、葵とふたりの時間がなかったじゃん」
「え……」
みるみるうちに私の頬は熱を持つ。


「オレだって葵と話したいし」
幸人くんの耳が赤くなっていく。


ずるい。
そう思った。

そんなことを言う幸人くんが可愛すぎて、ドキドキしちゃうじゃん。


「……あ〜!待って!今の無し!!」
ふいに幸人くんが片手をブンブン振る。
「何言ってんだ、オレ。カッコ悪……」


「う、嬉しい……」
私は正直な気持ちを言ってみた。
「私だって、幸人くんと話したいから」

ふたりで顔を赤くして、駅までの道を歩く。
こうやってふたりで並んで帰ることも久しぶりのような気がする。

みんなと一緒は楽しい。
でも。
幸人くんとふたりきりは、嬉しい。