「……葵?」
幸人くんの声がした。
目を覚ますと、保健室のベッドのカーテンの向こうにうっすら影が見えた。
「幸人くん?」
「入っていい?」
「うん」
幸人くんが遠慮がちにカーテンを開けて、こちらに近づいてきた。
「大丈夫?まだつらい?」
心配そうな顔をしている幸人くんに、私は笑顔を見せた。
「ううん、大丈夫。ありがとう」
「……今、何時?」
ふと気になって尋ねる。
「4時頃。放課後。衣装係の人達はまだ教室にいると思う」
「そっか」
私は起き上がろうとした。
「何か夢、見てた?」
「え?」
「うなされてるっぽかったから」
幸人くんはふいに私の顔を覗きこむ。
「疲れた顔してる」
私は恥ずかしくなって、咄嗟にうつむいた。



