6時間目。
橘先生の授業。
「だからー、この部分に当てはまる気持ちっていうのがー……」
橘先生の声が妙に遠く感じる。
机の上に広げたノートの文字がグネグネ曲がって見える。
私は気持ち悪さに耐えられなくなり、挙手した。
「どうしたー?越野さん」
橘先生が気づいてくれる。
「すみません、保健室に行ってきてもいいですか?」
「あれ、大丈夫?ひとりで行けますか?」
「……はい」
ヨロヨロ立ち上がり、教室を出た。
「熱はないけれど……、顔色が悪いわね。ちょっと横になってなさい」
保健室。
寺田先生が体温計を見ながら言う。
「大丈夫?横になるのもつらい?」
「いえ、大丈夫です」
小さな声でしか返事が出来ない。



