幸人くんからは何も連絡がないまま日が過ぎていく。 「葵ちゃん、どこかに出かけたら?」 ママが時々私の部屋に顔を出して言う。 「ひとりで出かけてもつまらないもん……」 私はベッドの上で体育座りしながら、隣に置いているウサギを撫でている。 幸人くんと出かけたい。 幸人くんと話したい。 幸人くんの顔が見たい。 「はやく夏休み、終わらないかなぁ……」 夏の夕暮れ。 私は部屋の窓から見える、ちょっと悲しく見える朱色の空を見上げた。