「友達だから、信じてるよ」
何も悪いことを言ったつもりはなかった。
でも幸人くんの笑顔が消えた。
「そっか……」
幸人くんはそう言って、
「もう帰ろっか。遅くなるとおばさん達心配するし」
と歩きはじめた。
え?
何、何で?
私は訳がわからず、
「幸人くん、どうしたの?」
と何度か聞いたけれど、幸人くんは
「いや、べつに」
と言うだけで何も答えてくれなかった。
気まずい空気のまま、神社を出て商店街を通り、駅まで帰ってくる。
「家まで送るから」
幸人くんは私の顔を見ずに、どんどん歩いて行く。
「ね、来週の水曜日はどこに行く?」
来週で夏休み最後の水曜日だった。
幸人くんはしばらく黙ったあと、
「……ごめん、来週はちょっと無理かも」
と言った。



