メリーゴーランドは空席

「そんなことより」
急に幸人くんは私のほうを向いて、頭を下げた。
「ほんっとうにごめん!!嫌な思いさせた!怖かったよな?ごめん!!」
私はハッとして、
「あれ?」
と言った。
「あれ?全然怖くなかったよ」

「え?」


「幸人くんと一緒にいたからかな?怖いとか思わなかった!!ただ、嫌な人だなぁ~って思っただけで」
私の言葉に幸人くんは吹き出して笑った。
「あははははは!」
私もつられて笑う。


「でも嬉しかった。葵の言葉」
「本当にそう思っているもん。実際に幸人くんは何も悪いことしてないもん」
「……ありがとう」
幸人くんは優しい顔で笑った。
花火が次々に上がっているから、空が明るい。
「だって友達だもん」
私は言った。