メリーゴーランドは空席

碧ちゃんが「これなんだけど」と奥から出してきた浴衣は、紫色を基調とした撫子(なでしこ)柄の浴衣だった。
大人っぽくて、でも可愛い。

「ちょっと大人っぽすぎない?」
叔母さんが心配そうに言う。
「ううん、着たい……。可愛い!」
私はすっかりこの浴衣にときめいてしまった。

「よし、じゃあ、時間ないから早速支度しよ!」
碧ちゃんがテキパキと用意してくれる。

「アンタがこんな日までバイト入れるから時間がないんでしょ。浴衣だって前もって見せてあげる時間作りなさいよ!葵ちゃんが気に入らなかったらどうするつもりだったんだか」
叔母さんひため息混じりにお小言を言うと、
「はいはいはい。もういいじゃん?気に入ってくれたんだし。結果オーライよ!」
と碧ちゃんはカラカラ笑う。