メリーゴーランドは空席

小谷さんは自分の数学のノートを持ってきて、解き方を確認しながら教えてくれる。
「これねー、公式覚えたら楽だよ」
解説をしながら問題を解いてくれるので、とてもわかりやすい。

教科書をパラパラめくり、
「こういう問題の練習と、この解き方を覚えていたら多分そんなに苦労せずにテスト受けられると思うよ」
とシャープペンシルで印をつけてくれる。

私と幸人くんはずっと「なるほど~」しか言ってない。


ふいに小谷さんが時計を見て言った。
「あ、ごめん。私帰らなくちゃ」
「こちらこそ、ごめんなさい。すごくわかりやすかった。ありがとう」
私は机に広がった小谷さんの荷物を片付ける手伝いをしながら、お礼を言う。