ポニーテールの女子と私はそれぞれ、桜井さんを見つめる。
桜井さんは振り返って、歩き出す。
「……越野さん、わかってる?」
私に背中を向けたまま、桜井さんは言った。
「あんたのことは絶対に許さないから」
ポニーテールの女子と一緒に桜井さんは裏庭から出て行った。
昼休みが終わろうとしている。
ベンチに置いたままのお弁当箱をのぞく。
涙がお弁当箱の中に一粒落ちた。
冷めた卵焼きが悲しそうに私を見ている。
午後の授業のために教室に向かった。
涙でぐちゃぐちゃになった顔を、廊下に設置されている細長い手洗い場で洗う。
教室に入ると桜井さんはいつも通りに窓際の席に座っていた。
まるで何もなかったみたいに。



