幸人くんと頭を抱えていると、日本史の小林先生が教室に入ってきた。
「あれ、ふたりで勉強ですか?」
そう言って私のノートを覗きこみ、
「あ、これは公式使って解く問題ですね」
とサラサラと解いてしまった。
「先生、数学も得意なんですか?」
幸人くんが目を丸くしている。
「いやー、得意というか、好きなんですねぇ」
しみじみと言う小林先生。
「答えがひとつって気持ちが良いんです。その答えを探し求めている時は少しつらくても、見つかった時の達成感が先生は好きですねぇ」
遠い目をしている小林先生に、
「でもなんで日本史の先生なんですか?」
と幸人くんが聞く。
「まぁ、日本史も大好きなんです。起きたことは変わらないし、日本史だって答えが決まっている。先人達の生き方から学ぶことはとても多いように思うんですねぇ」



