当たり前のようにポケットから美術室の鍵を出した。

さすがマンドレイク。

「香月さんに相談があるの。どうか聞いてくれないかしら?」

麗華さんは深々と頭を下げた。

「あ、頭上げて下さい。私で良ければ相談に乗りますよ」

「そう、ありがと」

麗華さんはニコッと笑った。

そして、私の手を握った。

「玲音のこと諦めてほしいの。あなたから別れを告げて」

ん?

今、何て………?

私がきょとんとしていると、麗華さんはもう一度言った。

「だから、玲音から手を引いてって言ってるの!」