幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

洋館に着くと、そのままベッドに突っ伏して泣いた。

私だけが玲音の役に立ってると思ってただけで実際は違ってた。

ガチャ。

玲音が帰ってきたようだった。

毛布にくるまっている私に後ろから抱きついてきた。

「俺は別にりりが嫌だから契約しないんじゃないよ。りりに負担をかけたくないからしないんだよ」

「…………ほんと?」

「うん」

私はさらに泣き出した。

玲音に必要とされて良かった。

私は玲音の役に立てるんだ。

もう涙は止まらない。