幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

もちろん両親に話した。

でも、泣きながら謝るばかりだった。

俺はこの時、呪いで死ぬことを確信した。

呪いは解けない。

確かに、両親はそう言った。

俺は知っていた。

最後のページに愛が呪いを解く鍵となると書いてあるのを。

俺はそこで馬鹿げたことを考えた。

これをりりに話して愛してもらおうと。

でも、愛はそんなに簡単なものではなかった。

りりは俺のことを男として意識してないことに気がついた。

こんなにも近くで一緒にいるのに意識してもらえないのは悔しくて、悲しくて。

俺は死を覚悟した。

そして今、もう呪いがかかる時期に入っている。

いつ来てもおかしくない。

今日かもしれない、明日かもしれない。

それで俺は最期の願いとして、りりと住ませてもらっている。