「りり、時間だろ?」

「あ、うん」

いつもこの時間になると玲音の部屋に呼び出される。

私の長い髪をそっと後ろによけ、がぶっとかぶりつく。

「………っん」

私は立っていられなくなるため、後ろにはベッドがある。

立てなくなった私が倒れられるようにという理由らしい。

玲音の顔が近くにあってドキドキする。

私だけドキドキして悔しい。

でも、この顔は私しか知らない玲音の顔。

そう思うと何だか嬉しかった。