幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

「ねえ、りり」

「ん?」

ネクタイを結ぶ玲音に呼ばれた。

「今日もしてくれるよね?」

してくれるって何を?

「キスしてくれないの?」

また!?

昨日したじゃん!

「嫌よ」

だって恥ずかしいもん。

私、昨日勇気使い果たしたからダメ。

「俺とキスするの嫌なわけ?」

「そうじゃない!………けど」

私だって勇気出ないの!!

「じゃあいい」

玲音は私を置いて玄関に行ってしまった。

もう、拗ねちゃって。

「玲音、ごめんってば」

「俺、めっちゃ傷ついたし」

そう言われると罪悪感が………。

「ごめん……」

「別にいいけど」

絶対いいって思ってない!!