大雅くんは降参したように地面に座り込んだ。

「分かったよ」

しばらく沈黙が続いた。

「俺は魔界からの命令でお前を落としにきたんだよ」

んん?

そんなこと聞いてないんだけど。

「お前は人間のくせにバカみたいな妖力がある。それに魔王、つまり俺の親父は目を付けた」

だからそんなの聞いてないし。

「お前を俺の嫁に迎え入れることが出来れば、俺たちはモンスター界最強になれるらしい」

そのために私を利用しようとしたのね。

ていうか、お嫁さんになるつもりはない!!

「最初は操って俺の妃にしようと思った。けど、お前に魔術は効かなかった」

いつも晴くんの御札持ち歩いてるからかな?

「だから落とそうとした。で、キスした」

それだけ聞いたら最低な人ね。

「でも、俺の方が落ちてたんだ」

へ?

「お前のことが好きになってたんだ」