幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。

明日こそ、二人でゆっくり回りたいな。

お風呂を入ってそれなりの格好をしてロビーに言った。

「おせぇ」

山崎くんはいつもあげてる髪をおろしていた。

なんか、カッコいいな。

「何見てんの?」

私としたことが見とれてしまった。

「もしかして、見とれてた?」

ドキッ。

何も言い返せず固まっていると、山崎くんは紅くなった。

「お前………何か言い返せよ」

「ごめん」

何もなかったかのように見回りをした。

山崎くんは黙り込んでしまった。

「あのさ俺のこと、名前で呼んでくれない?」

「なんで?」

「この名字嫌いだから」

そうなんだ。

「大雅くん」

大雅くんは目を見開いて固まった。

また固まっちゃった。

「ねぇ……どうしたの?」

「あ、いや。すんなり呼んでくれたからびっくりした」

大雅くんでも驚くことあるんだ。

「大雅くん、行こ………んっ」

壁に押し付けられて、大雅くんとキスしてしまった。